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最近の海外翻訳小説の文庫について思うこと

ウィリアム・ギブスンの代表作『ニューロマンサー』。
1980年代から90年代にかけて話題となったサイバーパンク小説で、映画『エイリアン3』の脚本にギブスンが関わっていたことでも知られています。結果的に映画に残ったのは「頭にバーコードの入れ墨」というイメージ程度だったと記憶していますが、近年はその脚本がコミック化されるなど、今もなお影響を持ち続ける作品です。

そんな『ニューロマンサー』の新版が、本日書店の新刊コーナーに並んでいました。
価格を見て思わず二度見―― 2,255円(税込)

すぐ近くの文庫棚には旧版も置かれていて、そちらは 1,122円(税込)。単純に倍の価格です。久々に手に取った文庫の値段に、ちょっと驚いてしまいました。


他の新刊と比べてみると

今日予約購入した『無名祭祀 クトゥルー神話原典集成』(ロバート・E・ハワード著、森瀬繚監修、夏来健次訳)は600ページで3,300円(税込)。分量を考えると妥当ですが、こちらは単行本。

また、先月買った飛鳥部勝則『抹殺ゴスゴッズ』(ハードカバー、656ページ未読)は3,630円(税込)。単行本でこれくらいの価格なので、やはり「文庫で2,255円」というのはインパクトがあります。

そういえば、スティーブン・キングの『コロラド・キッド』も文庫で1,760円(税込)。そのときも「文庫でこの値段か」と思いましたが、今ではそれ以上の価格帯も増えてきているように感じます。


読書を趣味とするものとしては

かつては「2年後に文庫化されれば安く買える」というのが定番でしたが、最近はそうも言えなくなってきました。翻訳権や制作コストの事情もあるのでしょう。だから文藝春秋のスティーブン・キング作品、笠井潔の『矢吹駆』シリーズも新刊はハードカバーで買います。(できれば、文庫になる前に読み終えたいとは思ってます…)

私自身、スティーブン・キングやラヴクラフトから海外文学に親しんできたこともあり、新刊が出るとどうしても手に取ってしまいます。ただ、価格を見ると「今のうちに買っておかないと、次はさらに高くなっているかも」と思わされます。

その点、中国SFの『三体』シリーズ(Ⅰ・Ⅱ上下・Ⅲ上下・0)は、1冊1,200〜1,500円程度でしたから、とても良心的だったのだなとあらためて感じます。


おわりに

好きな作品であれば多少値が張っても購入したい気持ちはありますが、価格が上がることで新しい作家に手を伸ばす機会は少し減ってしまいそうです。

海外翻訳小説の文庫が2,000円を超えるのは、これからは当たり前になっていくのかもしれません。
それでもお気に入りの作品を手元に置き、何度でも読み返せるのはやはり嬉しいものです。

最近は電子書籍のセールや図書館の利用など、選択肢も増えてきました。そうした手段をうまく取り入れながら、これからも本との時間を楽しんでいきたいと思います。

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